CubeIDE環境でJ-Link関連のものを更新する方法

IDE
STM32CubeIDE
Version: 1.0.0
Build: 2872_20190423-2022 (UTC)

標準で入っているJ-Link関連の物のバージョンが古いため、
STM32H7でのデバッグでは少し調子が悪そうに動きます。

そのため、今回は無理やりバージョンアップする方法を紹介します。

以下環境です。

IDE
STM32CubeIDE
Version: 1.0.0
Build: 2872_20190423-2022 (UTC)

①J-Linkをインストールする
https://www.segger.com/downloads/jlink/
からJ-link Software and Documentation Pack
のClick for downloadsから、自分の環境にあったものをダウンロード。

インストーラの形式で配布されているので、指示に従ってインストール。

以下、私はWindows環境で
「C:\Program Files (x86)\SEGGER\JLink_V652」にインストールしましたので、
ご自身の環境に合わせて読んでください。

②インストールしたものをCubeIDE環境にコピーする
標準のインストールだと、CubeIDE環境で使われるJLink.exeなどは、
「C:\ST\STM32CubeIDE_1.0.0\STM32CubeIDE\plugins\com.st.stm32cube.ide.mcu.externaltools.jlink.win32_1.0.0.201904160814\tools\bin」
にあります。クソ長いですね。

先程インストールした、
「C:\Program Files (x86)\SEGGER\JLink_V652」の中身を、
「C:\ST\STM32CubeIDE_1.0.0\STM32CubeIDE\plugins\com.st.stm32cube.ide.mcu.externaltools.jlink.win32_1.0.0.201904160814\tools\bin」内にコピーします。

推測ですが、このディレクトリはバージョンによって異なるため、
「C:\ST\STM32CubeIDE_1.0.0\STM32CubeIDE\plugins」内部を「JLink」などで検索すると目的のディレクトリが見つかります。

(念の為バックアップ取っておいたほうがいいと思います。)

以上で、最新のJ-Link SoftwareがCubeIDE内で利用できるようになります。

STM32 CubeIDE環境で、UTF-8に対応する

「ええっ!?このIDEはUTF-8に対応していないの???」

いや、対応はしているんです。対応は。私達が文字を認識できないだけでして…
早速環境の設定をしていきます。

以下、執筆時の環境です。

IDE
STM32CubeIDE
Version: 1.0.0
Build: 2872_20190423-2022 (UTC)

①プロジェクトのUTF-8化
開発したいプロジェクトのプロパティを開きます。
Projectタブ->Propertiesを
(またはWindows:Alt+Enter Mac:Command+I)
を押してください。

適当に画像のようにチェックを入れればOKです。
私はWindowsのほか、Macでも開発をするので、Other:Linuxに設定してあります。

Macの方はここで終わりです。お疲れ様です。内容が無い記事でごめんなさい。
以下Windowsの方。

②フォントを変更する
CubeIDEの標準のフォントは、一部日本語に対応していません

Windowsタブ->Preferences->General->Appearance->Colors and Fontsを開きます。

上図のように、C/C++ Editor Text Fontを、
フォント名をConsolasからお好きなものに変更します。
おすすめはTakao P ゴシック などが読みやすいと思います。

Takaoフォントは、
https://launchpad.net/takao-fontsからTakaoFonts_xxxxx.xx.zip
をダウンロードして、インストールするだけで、Windows環境でも利用できるようになります。

これでコメントアウトが文字化けして困る事もなくなりました。
以上です、お疲れ様でした。

STM32 Nucleo-64 boards(NUCLEO-F446RE) にJTAGで接続する

NUCLEO-F446RE
など、Nucleo-64 boardsには、ボード上にSTLink-V2/1というプログラマ/デバッガが載っていますが、
・デバッグの速度が足りない
とか、
・J-Linkを繋げたい
とか、諸々の都合でJTAGで接続することがあるかと思います。

毎回接続ピンが行方不明になって調べているので、メモとして残しておきます。

結論
先に結論を書きます。みんな細かいことよりさっさと接続関係が欲しいのは理解していますから。

このとき、基板上のST-LinkV2/1にあるCN2のジャンパはすべてオープンにしてあります。

①JTAGのピンについて
J-Linkのデータシート・UM08001によると
以下のようになっています。

細かいことは省略しますが、このJTAG 20-pinのピン配置は、(デバッガのオプション的なピンを除いて)どのデバッガでもほとんど変わりはなく、STLinkV2/V3等でも僅かな違いがあるものの、利用できます。

②JTAGのピンの機能
次のようにつなぎます。

デバッガ側 マイコン側 機能
VTref Vdd target reference voltage
GND Vss GND
nTRST PB4
(NJTRST)
JTAG Reset
TDI PA15
(JTDI)
JTAG data input of target CPU
TMS PA13
(JTMS-SWDIO)
JTAG mode set input of target CPU
TCK PA14
(JTCK/SWCLK)
JTAG clock signal to target CPU
RTCK Return test clock signal from the target
TDO PB3
(JTDO/
TRACESWO)
JTAG data output from target CPU
RESET NRST Target CPU reset signal


参考にしたデータシートは
J-Linkのデータシートのほか、
F405データシートであるDocID022152が参考になります。

②Nucleoボードとのピンの関係
これらより、
3V3,GND,PB4,PA15,PA13,PA14,PB3,NRST
を接続すれば動作することがわかりました。
しかし、Nucleoボードの場合、ピンアサインがめちゃくちゃなので、自分でマイコンピンとの対応を考える必要があります。
以下を使いましょう。
UM1724
P.35には以下のような図があります。これを見て比較するのが楽かと思います。

以上の作業を得て、一番最初の接続関係が導けます。

STM32 CubeIDE環境で、CMSIS-DSPを使う方法

Arm社が提供するCMSIS-DSP Libraryを利用すると、簡単に高速な演算ができます。

できることは、三角関数や平方根だけに留まらず、行列操作、FIRフィルタ・FFT、PIDコントローラ、クラーク変換・パーク変換等、幅広く入っています。

導入することで利用できる関数は以下のページにまとめられています。

https://www.keil.com/pack/doc/cmsis/dsp/html/modules.html

さて、このCMSIS-DSPですが、故・TrueStudioでの環境構築は、わかりやすくまとめられておりますが、CubeIDEでは少し操作する項目が増えておりますのでまとめてみます。

以下、執筆時の環境です。

IDE
STM32CubeIDE
Version: 1.0.0
Build: 2872_20190423-2022 (UTC)
マイコン
STM32F446RE

①ライブラリの追加
STM32Cubeのディレクトリから以下の2ファイルをコピーします。

STM32Cube\Repository\STM32Cube_FW_F4_Vxxxx\Drivers\CMSIS\Lib\ARM\arm_cortexM4lf_math.lib
STM32Cube\Repository\STM32Cube_FW_F4_Vxxxx\Drivers\CMSIS\Lib\GCC\libarm_cortexM4lf_math.a 

これらをプロジェクトフォルダ内にコピーします。

Windows環境でしたらユーザフォルダ内にSTM32Cubeがあるかと思います。
またVxxxxは適宜読み替えてください。

②プロジェクトファイルの設定
CubeIDEの
(プロジェクトのプロパティ)>C/C++Build>Setting>ToolSettings>MCU G++ >Linker>Libraries
の設定で以下の2項目を登録します。
1.Libraries>addから、arm_cortexM4lf_mathを登録
2.Library search path>add>workspace… から、 (先程arm_cortexM4lf_math.aをコピーしたディレクトリ)を選択します。
正しく指定できていれば、 ${workspace_loc:/${ProjName}} となるはずです。

Tips
ファイル名のM4lf_mathのlfはLittle endian,fpuの略。
つまり、M4l_mathやM4b_math(Big endian)のfpuなしのmathライブラリは使う機会があるのか疑問。
また、M7系の上位マイコンでは、
arm_cortexM7lfdp_mathのような(double precision)を扱えるものもある。

③Includeをする
関数を使いたい.c/.cppファイルにて、以下を定義してIncludeします。

#define ARM_MATH_CM4
#include "arm_math.h"
#include "arm_const_structs.h"

定義しているCM4はCortex-M4の略で、
CortexM7→CM7
CortexM4→CM4
CortexM3→CM3
CortexM0→CM0 とマイコンボードによって変更します。
以後、今回利用するCortexM4のみ解説するので、
別のCPUの時は適宜読み替えてください。

③足りないものを追加する
試しにこの段階でビルドしてみましょう。
次のような怒られが発生するはずです。

../Src/main.c:24:10: fatal error: arm_math.h: No such file or directory
 #include "arm_math.h"
          ^~~~~~~~~~~~

(以前のTrueStudio環境では、この段階で勝手に足りないものを取ってきてくれて、ビルドが通った記憶があります。)

いろいろ足りないので、必要なファイルをIncに追加します。

STM32Cube\Repository\STM32Cube_FW_F4_Vxxxx\Drivers\CMSIS\DSP\Include
内にある、
arm_math.h
arm_const_structs.h
arm_common_tables.h
をインクルードできる場所に追加します。
(例えばプロジェクト内のInc)

以上の操作にて、CMSIS-DSPのライブラリが利用できるようになります。
試しに以下のようにmainの内部を変更して、コードを実行してみます。

/* Includes ------------------------------------------------------------------*/
#include "main.h"
/* Private includes ----------------------------------------------------------*/
/* USER CODE BEGIN Includes */
#define ARM_MATH_CM4
#include "arm_math.h"
#include "arm_const_structs.h"
/* USER CODE END Includes */

 /* USER CODE BEGIN WHILE */
  int num = 0;
  while (1)
  {
	  float armsinVal = arm_sin_f32((float32_t)num*2*M_PI/255);
	  float armcosVal = arm_cos_f32((float32_t)num*2*M_PI/255);
	  float sinVal = sin((float)num*2*M_PI/255);
	  float cosVal = cos((float)num*2*M_PI/255);
	  num++;
    /* USER CODE END WHILE */

    /* USER CODE BEGIN 3 */
  }
  /* USER CODE END 3 */

ブレークポイントを打って実行をすると、以下のように動作の確認ができるかと思います。

今回は手抜きをしたのでタイマを動かして動作時間の解析等はしませんでしたが、
タイマを動作させて実行時のタイマ値を読んだりすると面白いかと思います。

Tips
今回は説明の便宜上、必要なものを全てプロジェクトフォルダやIncに入れていますが、別のフォルダにパスを通して、ライブラリに必要なもの一式を入れると見やすくて良いかと思います。